怖いオトコとチョコレート
 涙が出そうだった。

 もう限界だ。

 私は石井くんを探した。

 どこだろう。

 今日は何の授業を取っているんだろう。

 きょろきょろしていたら、石井くんとよく話をしている女の子たちがいた。

「あの!すいません、石井くん見ませんでしたか?」

「石井くんに、なんか用なの?」

 びっくりした。

 初対面の女の子に、いきなりそんな風に言われたのは初めてだった。

 3人の女の子達は私を囲んだ。

「え?よ、用事って言うか……」

「あんたね、わかってるのよ!最初黒岩くんと仲良くしといて、本命は石井くんだったんでしょ?」

「石井くんと仲良くしたいために、黒岩くんに近づいたくせに」

「計算高ーい」

< 12 / 23 >

この作品をシェア

pagetop