明日へのラプソディ

「闘吾、行け」

「わかりましたよ。じゃ、送って来ます」

あれ?出口どこだっけ?立ち止まっていると、

「ほら、こっち」

と、後ろから肩を捕まれて出口の方に向けられた。

「あ、そっちか〜」

ん?誰?

「ほら、送ってくから、ちゃんと歩いて」

と、気が付けばその人に手を引かれて店を出ていた。

「あ、ども」

「あっ、丁度タクシーいた」

店を出てすぐの所に止まっていたタクシーに、

「乗って、乗って」

と、押し込まれ、その人も続いて乗り込んで来た。これって、どういう状況?

「家、どっち?」

と、聞かれて後から入って来た人を良く見てみる。

「………っ!か、甲斐くん?」

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