明日へのラプソディ

「あ、いえ。もう大丈夫です。すみません」

折角来たんだから、ここで帰って有休使ったんじゃ勿体ないもんね。と、セコい事を考えて仕事する事にしたけど、午前中は、水を飲みに席を立つ 回数は半端じゃなかった。だけど、そのお陰で昼休みを迎える頃には、頭痛と気持ち悪さは、ようやっと薄れていた。

「お昼行ってきま〜す」

掛け時計が12時を指したと同時に、松本さんが席を立って部屋を出て行った。

「主任、ご飯、食べないんですか?」

って、香山さん。

「うん、食欲ない」

「そりゃ、あれだけ水飲めば、水でお腹一杯でしょうね」

「…まあね」

「で、思い出しましたか?」

「あ、思い出したよ」

「ホントですかっ」

< 133 / 349 >

この作品をシェア

pagetop