明日へのラプソディ

「わかりません」

「わかりませんって。…まさか、香山さんも、払わずに帰ったわけじゃ…」

「当たりです」

「嘘っ!って、事は私達、食い逃げ…じゃなくて、飲み逃げ?」

「もう、馬鹿なことばっか言わないで下さい、主任」

「え〜、だって、払ってないんでしょ?」

「岡林さんが、『哉子ちゃんにいい話して貰ったんで今日はいいよ。またおいでね』って」

「え?それで払ってないの?」

「はい。だから、私がいない間に主任どんないい話をされたのか、聞きたかったんですけど。まだ、思い出してないんですよね?」

「…全く」

「…ですね。じゃ、甲斐くんがタクシーで送ってくれようとしたのを断ったのは、覚えてますか?」

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