明日へのラプソディ

「運、ですか?」

「ああ。その時代の流れとか、巡りあわせとか、あるしね」

「そうですよね」

「で、闘吾に喝入れたことは、思い出せない?」

「…残念ながら。あの〜、私、きっと、甲斐くんに失礼な事言ったんでしょうね…。絡んでたとか?」

「ま、ちょっと絡んでた、かもね」

「うっ。なんか、申し訳ないな…」

「そんな風に思うことないって。さっきも言ったけど、哉子ちゃんがズバッと言ってやったお陰で、あいつ、もうひと頑張りする気になってんだから。きっと、感謝してるさ。だから、そのボールペンも必死に探して持ってきたんだよ。君に返す為に」

そう言われて、手にしていた猫ちゃんボールペンを見る。

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