明日へのラプソディ
「…これ、捨ててなかったんですね、甲斐くん」
「そうだね。あいつもお気に入りだったのかもな。猫ちゃんボールペン」
その時、ふと、もう一度甲斐くんに会いたいなって想いが込み上げてきた。…変なの。甲斐くんとは、15年前のあの時に1度と、この前にここで酔っ払ってる時に1度の2度しか会ってないのに。あ、あとは、ステージでピアノを弾く姿を2回見たか。って。ん?これって、私、いつの間にか、ひょっとして、ひょっとすると、甲斐くんのファンになっちゃった?とか。香山さんの擦り込み式の教育で、HigherFlyじゃなくて、後ろの甲斐くんに意識が行っちゃったんだ…。
「ん?どうした?哉子ちゃん。キョトンとしちゃって」