明日へのラプソディ
「久しぶりね。ま、上がって、上がって」
「お邪魔しま〜す」
優子は郊外に20代のうちに早々と家を建てて、ローンの返済が大変と言いながらも、専業主婦で子供たちの世話しながら優雅に生活している。つまり、私の夢の結婚生活を手に入れている女の一人。スリッパを履き、リビングに通され、ソファーに座る。
「コーヒーでいいでしょ?」
と、優子は用意しておいてくれたらしきコーヒーをカップに注いで、トレーにコーヒーとシフォンケーキを運んできた。
「まさか、このケーキ、優子が作ったとか?」
「そのまさかよ」
「ま、食べてみてよ。結構上手に出来てるんだから」
と、自慢げに言いつつ、優子は私の隣に腰掛けた。