明日へのラプソディ
あの不器用な優子がシフォンケーキねぇ。ま、自信有りそうだし、戴いてみますか。
「じゃあ、遠慮なく、戴きます」
「どうぞ、どうぞ」
パクリ。お〜、柔らかくてホンノリ甘くて、売り物みたい。
「どうよ?」
「本当に自分で作ったの?」
「って思うくらい、美味しいでしょ?」
「まぁね。本見て作ったの?」
「実は最近ね、お菓子作り教室に通ってんのよ」
「お菓子作り教室?」
なんて優雅な生活。
「うん、子供たちももうあんまり手がかからなくなってきたから、なんかやろうと思って」
「へ〜。そう言えば、今日、子供とご主人は?」
私達以外の人の気配を感じない。