明日へのラプソディ
やっぱり沢山買っても、落選して諦めきれない人もいるのね。
「主任、入口あっちみたいですよ」
「あ、うん」
ついて行こうとした時、スケッチブックを持って立っている一人の女の人が目に入った。
『15年、原田耕介くん一筋で応援してます。一緒に連れて行って下さい』
…15年か。スケッチブックを持っている人を見ると、明らかに他に並んでる子達と年齢差があるであろう彼女は、少し控えめに、恥ずかしそうに、それでもスケッチブックの文字はしっかりした大きな綺麗な文字で書いてあった。
「主任?どうしました?」
思わず立ち止まって見入ってしまった私に気付いて、ノゾミンが振り返った。