明日へのラプソディ
「…あ、ゴメン」
私が立ち止まると、甲斐くんは、サッと手を離した。
「…私の事、覚えてるの?」
思わず、聞いてしまった。
「忘れてないよ」
「…そっか」
真っすぐ甲斐くんに見られて、急に恥ずかしくなって、絵の方を向いた。
「この絵、気に入ったの?」
「…」
甲斐くんもゆっくり真っすぐ絵に向き直り、私達は2人で並んで、その絵を眺めた。
「…この4人が、HigherFlyに見えてた」
「HigherFly…」
「今日、実は、HigherFlyのファンイベントがこの近くであってさ」
「知ってる」
「知ってる?」
「私、それに来たんだもん」
「え?」