明日へのラプソディ
「…今日ね、私がHigherFlyのイベントに来ようと思ったのは、甲斐くんも一緒に出てるかもしれないって期待してたからなんだ」
「え?」
甲斐くんがチラッとこっちを見たけど、目が合うと恥ずかしいので、そのまま絵を見ながら続けた。
「でも、入口でこうくんを15年応援してるって筋金入りのHigherFlyファンの人と出会っちゃって」
「15年か…」
「それで、来てるか来てないかわかんない甲斐くん目当ての私が入るより、彼女が入る方が健全だと思って」
「譲ったんだ」
「まぁ…ね。でも、そのお陰で、まさかこんな所で会えるなんてね。彼女に感謝しなきゃ」
「フッ…」
ちょっとシンミリしていたハズの甲斐くんが、不意に吹き出して笑った。
「…何よ」