明日へのラプソディ

「お礼なんて、気にしなくていいのに」

「主任はそう言われると思って、主任の番号は教えなかったんですけど」

「わかった。一応聞いとく。教えて」

携帯電話を出して、香山さんから彼女のデータを貰う。あ〜、あの時、携帯電話を持っていれば、甲斐くんの番号もゲット出来たのになぁ〜って、今更言っても遅いか。

「連絡するんですか?」

「わかんない。でも、私がもらわないと、香山さんもなんか嫌な気分でしょ?」

「はい、確かに」

「それより、甲斐くん、どうだった?」

「え?どうって?」

「どんな顔して弾いてた?」

「弾いてたか?ん〜、それはわかんないです、スミマセン」

< 224 / 349 >

この作品をシェア

pagetop