明日へのラプソディ

「ごめん。だから、話したじゃない、ね。さっ、もう行くよ。ごちそうさま」

私は、立ち上がってレジに向かった。

「あ、待ってくださいよっ」

香山さんが水で流し込んで、急いで追い掛けて来た。

店を出て会社に帰る間中、ずーっと香山さんが、甲斐くんと何の話をしたのか、正に根掘り葉掘り聞いてきたけど、甲斐くんが、出番がなくて落ち込んでたって話と、頑張るって言ってた話にだけ、話しておいた。
さすがに、電話番号ゲットし損ねた話と、私の夢を中断してる話は、しなかった。…今考えると、なんで、甲斐くんの夢を見届けるのに、私の夢を中断しなきゃいけないか?謎だけど、甲斐くんが思ってる私の夢は『玉の輿、寿退社』だろうから、それは中断して、変更した方の夢『TimeLessオタクになる』をつきつめようかな。

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