明日へのラプソディ
「うん、ちょっとね。香山さん、松本さんのフォローしてあげてね」
「あ、はい」
「じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「頼むよ」
と、課長が親指を立て見送ってくれた。
「…」
この見合いの話は、他言無用だからと課長に言われ、香山さんにも言わずにいたけど、課長のあの様子だと、きっと香山さんに問い詰められてお見合いの事、喋っちゃうんだろうなぁ。なんて思うかなぁ、香山さん。
電車を乗り継いで、MPSホテルに辿り着いた。
「ふぅ…」
高級ホテルの入口前で小さく呼吸を整えてホテルに踏み込んだ。
「いらっしゃいませ」
ボーイさんたちに挨拶されながら、ラウンジの方まで歩いて行く。