明日へのラプソディ
ラウンジの前まで行くと、私も知っているスーツ姿の阿部商事の方が立っているのがわかって、少し足早に歩み寄りまだ私に気付いていない50代ぐらいのその男性に声を掛けた。
「伊東さん」
「ああ、町田さん」
「お待たせしてすみません」
「いや、まだ専務は来られてないから、大丈夫ですよ」
「ああ、そうなんですね。良かった」
「町田さん、独身だったんだね」
「…はい、恥ずかしながら」
「いやいや、そんな事ないさ。今時、結婚しないキャリアウーマンは多いからね」
「まぁ、そうですね」
やっぱり、結婚してないとキャリアウーマンでもないと、理屈があわないんだよね。