明日へのラプソディ
課長も断ってもいいけど、失礼のないようにだけしてくれって言ってたから、そこだけ気をつけてればいいか。ってか、私がアッサリ断られるって可能性の方が高いか…。
…。
…。
…。
…まだかな。
座ってから20分ぐらい経ったけど、まだお見合い相手は現れない。緊張の糸が切れちゃうなぁ。早く来ないかなぁ。まぁ、専務さんだもんね、主任の私とは比べものにならないくらい忙しいんだろうなぁ。と、何気に窓の外をに目をやると、
「っ!」
談笑しながら、このホテルに入って来ようとしていると甲斐くんの姿が目に飛び込んできた。
「甲斐くん…」
甲斐くんの姿を追うように、ホテルの中に目を向けると、その目線を遮るように、目の前に伊東さんが立っていた。