明日へのラプソディ

手料理を食べたいって…。これって、このお見合い、話が前に進んでいるんだろうか?それともお見合いって、本心を隠しながら適当にいいことだけ言い合う風習なんだろうか。
どちらにしろ、今のところ、阿部さんに失礼なことは、してないから、大丈夫よね。
ううん、実は、阿部さんと喋りながら、心ここに有らずってこの状態は、ひょっとしたら、凄く失礼な事をしていかもしれない。
そう思っていると、阿部さんが、チラリッと腕時計を見た。うわっ、腕時計、ゴッツクてなんか輝いてる。高そう〜。

「町田さん」

「あ、はい」

「もっと沢山お話したいところなんだけど、次の仕事に行かなきゃいけない時間だ」

「え?あ、もうですか?」

「そうなんだ」

「本当にお忙しいんですね」

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