明日へのラプソディ

驚く課長を残して一足先に事務所に戻って来た。
戻って来た私を待ち構えていたのは、興味津々顔の香山さんだった。

「主任、どうだったんですか?お見合い」

やっぱり、知られてる…。

「今、課長にお断りしてもらうようにお願いしてきた」

「ええーっ。正気ですか、主任っ。相手は天下の阿部商事ですよ〜」

「阿部商事じゃなくて、阿部隆行さん」

「いや、一緒でしょ」

私は席についていつものようにパソコンに向き合った。

「だったら香山さんが阿部さんとお見合いさせてもらったら?」

「お見合いかぁ」

「あれ?『じんちゃんがいるから、そんな事出来ません』じゃないの?」

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