明日へのラプソディ

「…そうかもね」

「今は若いから、いつかじんちゃんが私だけに微笑んでくれる日がくるかもって、それだけでもワクワクして、コンサート行くのも楽しみですけど、そんな事思ってるうちに30代になって、そのタイミングでじんちゃんが女優と結婚なんてなったとしたら、生きていく自信がないです、私」

「女優と結婚」

「いや、女優じゃなくったって、素人だとしても、嫌ですけどね」

「そ、そうよね…」

そこに、頭をかきながら、課長が戻って来た。

「あ、課長、お断り入れてくださいましたか?」

「まだ。なんて言ったらいいかと思ってな」

「課長っ!」

香山さんが、立ち上がって、素早く課長の横に行った。

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