明日へのラプソディ

「代わりに、もっと若いの紹介しますって、言って下さいっ」

本気なんだ、香山さん。

「え?香山くん、相手は45歳だよ?」

「はい、わかってます」

「あっ!だったら、課長っ!」

と、香山さんが立っている反対側から、松本さんも立ち上がって、課長に声をかけた。

「私も、お願いしますっ!」

「ん?松本さんは彼氏がいるんじゃないのか?」

「いますけど、相手は阿部商事の専務なんですよね?」

「ああ」

「全然、大丈夫で〜す」

「…」

さすが、松本さん。だけど、仕事もままならない松本さんを紹介するのはさすがに気が引けたのか、課長は、私の断りを入れる代わりに、伊東さんへ香山さんを紹介すると連絡をとったようだった。

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