明日へのラプソディ

「失礼します」

会議室に入ると課長は既に座っていた。

「まあ、座れ」

「はい」

課長と反対側に向かい会って座る。

「仕事に身が入ってないようだな」

「…すみません」

「彼氏と上手くいってないのかね?」

「いや、そういうわけでは…」

…ないと思いたい。

「上手くいってないんだったら、この前の阿部さんとの見合い、考え直さなか?」

「え?」

阿部さんとの見合い?

「あれは、香山さんを紹介することになったんじゃあ…?」

「それが、やっぱり香山くんじゃ若すぎるって、断られたよ」

「そうなんですか…」

私は若くないって、太鼓判押されたってことか。

「それで、是非、もう一度町田主任をって、ご指名なんだよ」

「え?」

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