明日へのラプソディ
「新入りちゃんは、彼氏とデートがあるから、基本残業はしないんだって。それでOKって面接の時に言ってるから、とりあえず4月いっぱいは絶対残業させないようにって課長からの御達示」
「え〜っ、そんなのアリですか?凄いなぁ、今時の新人」
「今時のって、香山さんとそんなに変わんないでしょ?」
「歳は確かに3つしか違いませんけど、人種が違います」
「香山さんは帰らなくてもいいの?」
「私は、これに行く為にお金がいるんで残業させて頂きます」
そう言って香山さんが自分のデスクの一番上の引き出しから、ページを広げたままにしてあった雑誌を取り出して、そのままデスクの上に乗せた。
「何それ?」
今度は、私が椅子を回して香山さんが出した雑誌を覗き込む。