明日へのラプソディ

「ん?」

急に辺りが暗くなってパンフレットから顔を上げた。

「主任、パンフレット早くしまって、立って下さいっ。始まりますよっ」

「はいはいっ」

香山さんに促され、急いでパンフレットを鞄に入れて立ち上がる。

「あ〜、主任っ。ペンライト、ペンライトっ」

「あっ、そっか」

言われて今度は急いでペンライトを取り出す。

「あれ?これどうやったら光るの?」

いくらスイッチを押しても全然点かない。ひょっとして不良品?

「んもう、貸して下さいっ、主任」

と、香山さんが私のペンライトを取り上げた。

「ここに電池保護シートが挟まってるんですっ」

と、ちっちゃい紙切れをスッと抜き取り、ペンライトと一緒に返された。

「あ、ありがと」

改めてスイッチを押すとスンナリと光りはじめる。

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