明日へのラプソディ

「ほほ〜」

「主任、そんなことに感心してる場合じゃないですっ!これも持って下さいっ」

って、ペンライトを持ってない方の手にさっき香山さんが買ったばかりのうちわを手渡された。

「え?なんで?これ香山…ノゾミンが使うんじゃないの?」

「私はこれです」

と、香山さんが取り出したのは縁がキラキラに飾ってあって『じんちゃん、こっち見て!』と大きく書いてあるお手製うちわだった。

「…気合い入ってるね」

「当然です」

香山さんがキッパリと言い切ったその時、会場に響く爆音が流れはじめた。

「キャーーーっ!」

一斉に会場のボルテージが上がる。おぉ、なんか、私もワクワクしてきたぁ。ああ、この感覚、久しぶりだなぁ。

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