明日へのラプソディ

「じんちゃ〜んっ!」

「えっ?」

ん?

隣から殺気を感じじわ〜っと首を回して、香山さんを見る。

「主任っ、じんちゃん取らないで下さいっ!」

「え〜っ、だって、これこれ」

と、じんちゃんうちわをふって見せる。

「そっか…」

「大丈夫よ、今日はノゾミンのアシストに徹するから。なんとしても、じんちゃんの目線をゲットするわよ」

「やっぱ、主任〜、頼りにしてますっ!」

「任しとき」

というわけで、仕切り直してメインステージに向き直る。ま、そうは言ってもこんな後ろの席じゃ叫んだところで『じんちゃん』に私達の声は届かない。よしっ、花道勝負だ。

< 50 / 349 >

この作品をシェア

pagetop