明日へのラプソディ

来た来た来たっ。っ!なんでこうくんがこっち側歩いてんのっ!じんちゃん、こっち来いっ!こっち来いっ!と、念力が通じたのか、私達の前を通り過ぎるタイミングでこうくんとじんちゃんが入れ替わって、じんちゃんが正に私達の目の前にやって来た。今しかないっ!

「じ〜んちゃ〜〜〜んっ!!!」

…確かに、めちゃくちゃ頑張ったけど、自分でもびっくりするくらい実力以上の(?)野太い声が出た。そう、回りの黄色い歓声とは明らかに異なる男のような声。

「っ!」

その瞬間、頭上を通り過ぎていたじんちゃんの目線が一気に下に下がって来て、歩みが止まった。

「じんちゃんっ!」

すかさず、香山さんがうちわを振る。私も振っとこ。

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