明日へのラプソディ
ライブも終盤に差し掛かった頃、一人の中学生くらいの少年がトコトコとステージに現れた。
「誰?」
「かわいい〜っ」
ザワツク会場の雰囲気をまるっきり気にしてないその少年はキーボードの前迫耕作(マエサコ コウサク)くんの所まで真っ直ぐ進むと、前迫くんとハイタッチを交わし、立ち上がった前迫くんと入れ替わり、キーボードの前に座った。それを合図のように他のメンバー3人もそれぞれギターやベースを置いて、マイクを手に持ち、キーボード回りに歩み寄った。4人とにっこりと顔を合わせると、美少年はゆっくりとキーボードを弾きはじめた。そして、4人はバラードのその曲でロックとはまたひと味違う、優しい素敵なハーモニーを聴かせてくれた。