明日へのラプソディ

「かっこ良すぎる…」

いつものワイルドなCityNoiseもカッコイイけど、少年を囲んで優しい眼差しで見守りながら柔らかい表情で楽しげに歌ってるCityNoiseも溜め息が出る程カッコイイ。ピアニストの少年よ、こんなCityNoiseを見せてくれてありがとよ。な〜んて思いながら、聴き惚れているうちに曲は終ってしまった。終わると少年はスッと立ち上がり、アッサリ退場しようとして、しゅうちゃんに呼び止められた。

「おい、おい。一言くらいなんか言ってけよ」

と、しゅうちゃんに差し出されたマイクに向かって、

「甲斐闘吾ですっ」

と、自己紹介。

「で?」

「CityNoiseに憧れて去年Timelessに入りました」

「おっ、かわいい事言ってくれるな。今、中3だったっけ?」

「はいっ」

「頑張れよ」

「はいっ!」

しゅうちゃんに頭をポンポンされて、嬉しそうに返事をして『甲斐闘吾』と名乗った少年はステージから掃けて行った。

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