明日へのラプソディ
「待ってはないよ…」
一応、答えてみる。
「あ、待ってないんだ。じゃ、いっか。待ってたんなら、もうとっくに帰っちゃったよって教えてあげようかと思ったんだけど」
と、やたら人懐っこい笑顔で、待ってない私達に、教えてくれた。どうやら、彼は私達がCityNoiseの出待ちをしていると思ったらしい。
「待ってたわけじゃないんだ。…じゃ、なんで帰らないの?」
「…ライブの余韻に浸ってたの」
「ふ〜ん。俺、出てたの、知ってる?」
「もちろんっ」
思わず、優子と声がハモった。
「名前、覚えてくれてる?」
「…」
思わず、優子と目が合う。