明日へのラプソディ

香山さんに連れられて、電車を乗り継いだ後、駅から歩いて今まさに、1件のバーの扉の前までやって来た。

「ここです、主任」

「『Noise』って、書いてあるね」

「ちゃんと『OPEN』の札もかかってますね。じゃ、入りますか」

「ちょっと待っ…」

深呼吸でもしてからと思った私を完全無視で、香山さんは、サッと扉を引き開けてしまう。仕方なく、ゴクッと息を飲み込んで、香山さんの後ろから恐る恐るお店に足を踏み込んだ。

「いらっしゃいませ」

少し薄暗い店内にはカウンター席が10席くらいオシャレなテーブル席が3席くらいのどちらかと言えばコジンマリとしたお店だった。

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