白と黒。時々、水色。
そして、冒頭文に戻るわけだが…

(いったい相手って誰なんだろう…)

そう、これが今一番の疑問である。

まさか私に縁談が来るなんて…

あの女王は何を考えているのだろうか。

『相手とは明後日に会って話をする予定になっているわ』

と言っているが、はたして私と話をさせる必要があるのだろうか?

いきなり過ぎた出来事に頭がついていけない。

「はぁ…泉に行って御祓でもしてこようかな…」

御祓(みそぎ)とはきれいな水に浸かり、身体を清める事である。

特に、水のちからを持つ私にとっては命の補給ともいえる。

…ボチャッ…

「ふぅ…やっぱり生き返る~…」

気分がよくなって、おばあ様から教えてもらった水蛇の歌を歌っていたら、

不意に、泉のそばにはえていた茂みが揺れた。

(え…?)

と思ったら、茂みの向こうから男の人がこっちに向かってくるのが見えた。

(ちょ、私、今裸なのだけど…!?)

けれど、そんな私の心の声は聞こえるはずもなく…

「……ぁ」

?「……え?」

ついにご対面してしまった。

今叫ばなかった私はすごいと思う。



< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop