白と黒。時々、水色。
今日は厄日なのだろうか。

縁談の話といい、今この状況といい、悪いことしか起こっていない気がする。

すると、目の前にいる人から上着を渡されたので、おずおず受け取って着た。

だが…私は羞恥とともに怒りも抱いていた。

私の裸を見られてそのまま易々と逃がしていいものか。

見られてしまった以上、それなりの対価を払ってもらわなければ困る。

「あの、貴方が気絶するまで殴っていいですか?」

殴って済ますのだから、すごく軽い罰だと思う。

「はあ?お前、なにいってんの?
まさか、俺が誰か知らないわけ?」

「知りません。そもそも、この国の人ではないのですか?
不法侵入者ですか?」

即答した。

「へぇ、俺を知らないやつなんているんだ…
興味、わいた…ククッ」

なにかぶつぶついってる男の人をおいて城へ帰ろうとすると、

「待てよ。お前の名前、教えろ」


「不法侵入者に教える名前はありません。
腕をはなしていただけませんか?」


「名前を教えてくれたら離す」

「…………」

しつこいので無言で腕を振りほどいてやった。

「しつこいです。
そもそも、あなたは誰なんですか
この国の人ではなさそうだし…」

「じゃあ、お前の名前教えろ」

「なら、いいです。
さようなら」

「っておい!待て!」

後ろでなにか叫んでいるがお構いなしに城へ戻った。

「俺が面白そうなものを放っておくわけがないだろう…?」

そんなことを呟かれていたなんて、思いもしなかった…









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