…だけど、どうしても
私の身体はどんどん敏感になって、衣擦れの音にまで追い詰められ、肌に紫苑の髪の毛が触れるだけでも喘いでしまう。それなのに紫苑はしつこく、指と唇と舌で、服の上から下から、私の全身を刺激する。
何度となく抱き合って私の弱点を知り尽くした紫苑の愛撫に、私は息も絶え絶えだ。服は乱れ、あちこちの肌を晒し、両脚は剥き出しにされている。身体は自分で支えきれず、だらしなく弛緩しているのに、腰は跳ね上がり、時にはうねり出してしまう。どんなにか、はしたない姿になっているだろう。
それなのに紫苑は言う。
「綺麗だ…」
果てしない愛撫を唐突に終わらせて、紫苑は軽々と私を抱えあげると、寝室に移動してベッドに寝かせた。
もどかしそうに服を全部脱がせ、自分も一切を脱ぎ捨てると、押さえつけるように両手で私の脚を開かせて、一気に貫いてきた。
私は求め続けていた感触をものすごい力強さで与えられ、頭が真っ白になるほどの快感に襲われた。
「ああっ…!!」
びくん、と身体を仰け反らせるとその上から紫苑が覆いかぶさってきた。身体が絡み合っていく。
首筋にかかる紫苑の吐息が熱い。
「ああっ…花乃…」
なんて甘美な声で私の名前を呼ぶの。
暴れるのを耐えるように動きを制しながら、紫苑がゆっくり、時間をかけて私の身体を味わう。
悶えながら求めると、紫苑は唾液が唇から伝うほど濃密なキスをくれた。お互いの腰がねっとりと吸い付いてはうねり、延々といやらしい水音をたてる。
いつまでもこうしていたい。できるだけ長く。
だけど、深く抉られ続け、私はもう限界だった。紫苑も息を乱し、時折荒々しく呻き、余裕を失っている。そんな彼の恍惚として歪む顔も美しく、愛しい。
ついに目の前が弾け飛ぶのと同時に、紫苑が私の中で大きく脈打つのを感じた。