…だけど、どうしても

俺は目を見開く。跳ね上がる期待に、震えが走った。
彼女は静かに唇を重ねたまま俺の髪を細い指で優しく、なだめるように梳いている。

もう、駄目だった。

本当に良いんだな、とか。
恩を感じて、なんて理由ならやめてくれ、とか。

よぎる思いを言葉にする余裕などあるはずもなく、俺はそのまま再び彼女を掻き抱きながら、柔らかい唇を貪った。

ワンピースのファスナーを下げる。スカートの内側に手を侵入させ、すべらかな太腿にてのひらを這わせる。吸いつくような肌触りにくらっとする。
ああだめだ、もっと、優しく…

もどかしい。ワンピースがストンと床に落ちた。
下着姿の彼女に俺はむしゃぶりついた。
ブラジャーのホックを外し、あらわになる白い胸を、昼間願ったとおりに揉みしだく。頂に唾液を塗り込むように舌で舐め回す…

たまりかねたように彼女が甘い声を上げた。
なんて声を出すんだ。

俺は彼女の膝の裏に腕を通し身体を持ち上げると、部屋の中まで運んでベッドに放り出した。
途中でヒールのパンプスが音をたてて床に落ちた。
靴も脱がないまま俺は彼女の身体を貪っていたのだ。

ベッドで彼女が体勢を整える前に覆いかぶさる。またキス。今度は彼女も俺になんとか応えようと、舌を絡め合わせてくる。
求めすぎて本当に頭がおかしくなりそうだった。
下着の上から秘部に触れる。震える身体、甘い声、吐息…
優しく、痛めつけないように、丁寧に…
吹っ飛んでいる理性の欠片を手繰り寄せ、なんとか自分に、言い聞かせる。
こんな乱暴はダメだ、優しく、この華奢な身体を壊してしまわないように…

欲望の塊を押しつけるようにして彼女の中を隙間なく満たしていく。
弓なりに反る彼女の、白く細い身体、その見事なくびれの形を手でつかむ、優しく、優しく、優しく…
悲鳴のような声を彼女が喉から漏らす。
バカやめろ、今そんな声、
ダメだ、優しく、優しく、
ああくそ、もう無理だ…!!

俺はついに激情に打ち勝つことができず、激しくスプリングを軋ませながらコントロールを失い、どうしようもなく欲望のまま、めちゃくちゃに彼女を抱いた。
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