…だけど、どうしても
とにかく、答えなくちゃ。威圧感に押し潰されそうになりながら私は口を開く。
「あの、あれくらいのことは、よくあることよ。そんな大袈裟なことじゃなくて…」
「よくあることって何だよ。」
「あの…」
舌打ちして、紫苑が近づいてくる。舌打ちなんて、されたことがない。私は外そうと思っていたネックレスから手を離して身を竦ませてしまう。
「お前自分が誰の女かわかってんの?」
「え…」
「答えろよ。」
「私、は、…紫苑のものよ。わかってる。」
「じゃあなんで、あんな平気そうにベタベタ触られてんの。」
「そんな…」
「何怯えてんの。俺が怖いの? 他の男にはあんなに笑いかけんのに? それとも馬鹿にしてんの?」
「紫苑、ちょっと、落ち着いて…何か誤解してるわ。私貴方を馬鹿にしたことなんか一度だって無い。」
怖がったら駄目だ。私は意を決して、人を射殺しそうな両眼を真っ直ぐ見上げた。
「紫苑みたいに、立派に大きなお仕事をしてる人には、私みたいな学生が何言ってるんだって思うかもしれないけど、私にとってはああいうことも仕事のようなものなの。度が過ぎれば手を払いのけるくらいはするけど、誰もそれ以上のことは求めてこないし、私は、…んっ」
荒々しくキスをされて、遮られた。怒りが彼の唇から流し込まれるみたいに。
「んんっ、…ふ、ぁ…」
咥内をぐちゃぐちゃに犯される。酸素が足りなくなって、アルコールが急激に回り始め、目眩がした。