大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
あたしは龍生のとなりにしゃがみこんで、段ボールの中を覗きこんだ。



「かわいいね。この子犬、どうしたの?」



あたしが話しかけると、龍生は顔をしかめたまま答える。



「このガキどもが見つけたんだよ。

この公園に捨てられてたんだ」



「こんなに可愛いのに、ひどい」



「ま、なんか事情があったんだろ」



龍生はそう言って、子犬の頭をくしゃくしゃと撫でた。



「誰か引き取れねえか探したんだけどよ、こいつらの家はマンションやらアパートやらで飼えなくて。

俺んちも、母ちゃんが犬アレルギーだし………」



「でもよー、このままじゃこいつ、いつか病気なっちゃうんじゃね?」



男の子の一人がそう言うと、まわりの子どもたちが心配そうに顔を曇らせて子犬を見た。



「その前に大きくなったら逃げちゃうかも」


「えー、やだよー。せっかくなついてきたのに」


「でもずっと段ボールの中もかわいそう」




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