大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
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子犬の名前は、オーレに決まった。
子どもたちによると、カフェオレの色に似ているかららしい。
あたしがオーレを抱いて家に帰ろうとすると、
「俺も一緒に行って挨拶する。
ちゃんと俺の口から事情を説明しないと、押しつけるだけだと申し訳ないからな」
と言って、龍生もついてきた。
意外と義理がたいヤツだ。
家に帰ると、お母さんは大きく目を見開き、あたしの腕の中のオーレと龍生を交互に見た。
「あらっ、まあまあ、かわいいワンちゃん!
龍生くん、久しぶりねえ、大きくなって!
それにしてもかわいいわねえ、この子。
龍生くん、その髪、似合ってるわよ。かっこいい」
まったく、忙しい人だ。