大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「よく来てくれたわねえ。

さあ、あがって、あがって!」



お母さんは嬉しそうに龍生の腕を引く。


龍生は「お邪魔します」と言って靴を脱いだ。



リビングに行ってテーブルに座ると、お母さんはうきうきしたようにオレンジジュースをコップに注いで、龍生とあたしの前に置いた。


龍生がぺこりと頭を下げて、「ありがとうございます」と言う。



「それと、弁当も、いつも作ってくださってありがとうございます。

おいしくいただいてます」



龍生はすらすらとそう言って、あたしは驚いた。



「龍生、そんな丁寧な口のききかたできるんだ!」



するとお母さんが眉をひそめてあたしを睨む。



「なに言ってんのよ、鞠奈。

龍生くんは小さいときからすごく礼儀正しかったじゃない。


それにね、お弁当のことも龍生くんのお母さんから電話もらってるのよ。龍生がお世話になってます、って。

龍生くん、ちゃんとお母さんにお話してくれてるのよ。さすがだわ~。

お礼にってお菓子まで送ってもらっちゃて。

かえって気をつかわせちゃったわ。


ほんと、龍生くんちって、ちゃんとしてるわよね」




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