大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
あまりにもスムーズに話が進んだので、龍生は拍子抜けしたように肩の力を抜いた。




「こいつ、高校の近くの公園に………捨てられてたんです。

かわいそうで、食いもんとかやってたんですけど、うちでは飼えないから」



「そういえば、龍生くんのお母さん、犬アレルギーだったわね」



「そうなんです。

なんで、こちらで引き取ってもらえると、本当に助かります」




お母さんはにこにこしながら、あたしの腕からオーレを抱きとった。




「もちろん、いいわよ。

それに、この子に会いたくなったら、いつでもうちに来てくれたらいいからね」



「まじっすか!」




龍生が、ぱあっと顔を輝かせた。




「もうこいつに会えなくなるかなって、ちょっとさみしかったんすよ。

いいんですか、遊びに来て」



「あら、昔はよく来てくれてたじゃない。

遠慮なんかされちゃ、おばさんさみしいわ」




………なんだろう。


あたしを完全にそっちのけにして、どんどん話が進んでいる。




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