大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
お母さんはオーレの頭を撫で、頬擦りをして「いってきまーす」と玄関から出ていった。


あたしはオーレを抱っこして、リビングのソファに座る。

オーレは慣れない環境に驚いているのか、耳をへにゃりと下げてきょろきょろしていた。



「だーいじょうぶ、うちはみんな犬好きだから、ね」



オーレはくうんと鼻を鳴らした。


ぽかぽかと温かい小さな身体が愛おしい。



しばらくオーレといちゃいちゃしていると、スマホがぶるぶると震えた。


見ると、ラインの新着メッセージ。


なんと龍生からだ。

再会したとき、無理やり番号を交換させられたのだ。



『おい、まりな』



いかにも龍生っぽいメッセージに、思わず笑ってしまう。



『オーレの写真を送れ』



頼んでるくせに、偉そうな命令口調。

まったく、どうしようもないやつ。



『母ちゃんが見たいって言ってるから、早く送れ』



はいはい、とあたしはオーレにカメラを向けた。








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