大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
あたしはいつかの妄想を再び脳内に呼び起こした。



『………あのさ、佐伯』


『え……っ、なに、高田くん?』


『俺、実はさ……』


『うん』


『ずっと前から、佐伯のこと好きだったんだ』


『えぇ……っ!?』


『俺と付き合ってくれない?』




―――とうとう、とうとうあたしにも春が!?


あたしは震えそうな指先で必死に返事をうつ。



『うん、もちろん! 一緒に行こう』



ああ、がっついてると思われないかな。


でも、もう送っちゃったし………。



高田くんからすぐに返事が来た。



『まじで!? ありがとう、嬉しい! 誘うのめっちゃ緊張したし』



ああ、やばいよ、顔がにやける。


あたしごときを誘うのに、あの高田くんが緊張してくれたなんて!


ほんと、もったいないお言葉です。





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