大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
浮かれる気持ちを抑えきれないままぱたぱたと階段を降りると、オーレが駆け寄ってきて、あたしの幸せメーターは最高値に跳ね上がった。



「オーレ、おはよう!」


「きゃんきゃん!」


「ああ、かわいい~かわいい~」



オーレを抱き上げて頬擦りしていると、お母さんが



「一晩でずいぶんうちに慣れたみたい」



と嬉しそうに笑った。


うちはみんな犬好きだから、扱いにも慣れているし、安心だ。



くりくりとしたつぶらな瞳でまっすぐに見上げてくるオーレをスマホのカメラにおさめて、あたしは急いで朝食をすませ、ダッシュで駅に向かった。






「―――高田くん!

ごめん、待った?」



駅の改札の前に立っている高田くんを見つけて、あたしは慌てて駆け寄った。



「ううん、ぜんぜん。

俺が気合い入りすぎて早く来ちゃっただけだし」



高田くんが柔らかく微笑む。


ああ、朝っぱらから、なんてさわやかなの。




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