大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
ああ、なんてスマートなんだろう。


女の子の意見をたずねておいて、もし女の子がなにも思いつかないようなら、しっかりと案を用意してあるという、この余裕。



「高田くんの行きたいとこって?」



そう訊ねると、高田くんは立てた人差し指を唇に当て、いたずらっぽく笑った。



「内緒。それは当日のお楽しみってことで」



きゃー! と思わず叫びそうになってしまった。


やばい………かっこよすぎる。


王子様か!

少女漫画から抜け出してきたとしか思えない。



どきどきしっぱなしの通学時間が終わって、学校に着いたときには、あたしはどきどき疲れでぐったりしてしまっていた。





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