大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-







「―――見ーたーぞー………」



いきなり後ろから低い声が響いてきた。


あたしはどきっとして振り向く。


そこには、にやにやと笑う有香が。



「み、見たって、なにを?」



「とぼけるなー。朝のことだよ、朝のこと!」



「あー………」



「高田くんと来てたじゃん!

私が朝練に励んでるときに、朝デートなんてさー。

もう、うらやましすぎてむかつくわ!」



有香はバレー部に入っていて、週に三回朝練がある。

今日もその朝練の日で、だからあたしは一人で登校する日だったんだけど。


高田くんからのお誘いを受けて、二人で学校に来たというわけだ。



「で? いったいどうして高田くんと来てたの?

めっちゃ急展開じゃない?」



有香の言葉に、あたしは思わずにやけてしまう。



「わー、なにその顔!

あーもうやだやだ、リア充め!」



「いや、だってさー、聞いてよ!」




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