大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
*
「―――見ーたーぞー………」
いきなり後ろから低い声が響いてきた。
あたしはどきっとして振り向く。
そこには、にやにやと笑う有香が。
「み、見たって、なにを?」
「とぼけるなー。朝のことだよ、朝のこと!」
「あー………」
「高田くんと来てたじゃん!
私が朝練に励んでるときに、朝デートなんてさー。
もう、うらやましすぎてむかつくわ!」
有香はバレー部に入っていて、週に三回朝練がある。
今日もその朝練の日で、だからあたしは一人で登校する日だったんだけど。
高田くんからのお誘いを受けて、二人で学校に来たというわけだ。
「で? いったいどうして高田くんと来てたの?
めっちゃ急展開じゃない?」
有香の言葉に、あたしは思わずにやけてしまう。
「わー、なにその顔!
あーもうやだやだ、リア充め!」
「いや、だってさー、聞いてよ!」