大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「ふん」



龍生はそう言って、中身を袋に戻し、抱えなおして歩き出した。


その横顔は、ほんのり上気しているように見える。



「龍生、顔赤いよ。もしかして照れてる~?」



からかうように言うと、龍生が眉をつりあげて振り向いた。



「………ばっ、ばかやろう!

この俺様が照れたりするかっ!」



その顔は、やっぱり赤くて。



「はいはい、あたしの勘違いでした~」



くすくす笑いながらそう返した。


龍生は不機嫌そうに顔を歪めて、ちっと舌打ちしてからずんずんと歩いていく。



そのとき、あたしは、不思議な気持ちになった。



荷物を抱える龍生の、筋のうかんだ長い腕。


ふいに、なぜか、その腕をつかみたくなった。


自分の手を龍生の腕にからめたくなった。





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