大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-







「おい、おまえ!

いいもんもってんな。

それ、おれによこせ!」




でかい図体で、無遠慮にどすどすと近づいてきて、

威圧的な顔であたしを見下ろす男の子。



見知らぬ男の子にいきなり話しかけられて、幼いあたしはきょとんとしたものの、

すぐに首をぶんぶんと振った。




「やだよ! これ、あたしのだもん」




男の子が眉をつりあげる。




「あぁ!? なんだと!?

おまえ、なまいきだな!

よし、きめた!!

おまえ、きょうからおれのコブンな!」



「………はぁ?」




あたしは訳が分からず、首を傾げた。




「コブンってなに?」




そいつは呆れたように肩をすくめる。




「そんなこともしらねえのか。

ばかだな、おまえ!」



「ばかじゃないもん!」



「ばかだよ!

しょうがないから、このおれさまが、とくべつにおしえてやる。

あのな、コブンっていうのはーーー」




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