大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
*
「―――どう、だった?」
おそるおそる訊ねると、龍生が無表情のまま、一枚の紙をあたしの前に差し出した。
「………わっ、うそ! 42点~!?」
あたしは龍生の英語のテストを見て、絶望の声をあげた。
だって………だって!
あんなにみっちりマンツーマンで教えて、半分もとれてないなんて!
それなのに。
「ふふん。俺ぁ、やりゃあできる男なんだよ」
―――龍生はものすごく自慢気な顔で、顎をあげて腕をくみ、偉そうにあたしを見下ろしてきた。
その顔を見ていたら、さすがのあたしも、
『なにこの点数は!?
低すぎでしょ!
せめて半分くらいとれると思ってたのに!』
………なんて言えなくなってしまう。
「あ、うん………すごいね!」
なんとか作り笑いを浮かべて言うと、龍生は褒められた子どものように屈託なく笑った。
「だろ!?
俺、はじめてだぞ、英語で40点ごえなんて!」
「へ、へえ~。すごい、すごい!」
ぱちぱちと拍手をしてあげた。