大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「なんなのよもう! ラブラブじゃん!」



席にもどったとたん、有香がからかうように言ってきた。



「ラブラブって、どこが!」


「いやー、もう、ただよう空気が甘いっていうか」


「うっそ、んなわけないじゃん」



あたしは動揺を悟られないように必死で気持ちを落ち着けながら、帰り支度を再開した。



「あー、いいなー、私も彼氏ほしいー」


「だから、彼氏とかじゃないって」


「でもさ、正直なところ、好き好きオーラとか出されてないわけ?」


「ないないない! だって、あの龍生だよ? ありえない」



有香はふうん、とつまらなそうに言って、



「ま、いいや。なんか進展あったら教えてよね。

じゃあ私、部活いってきまーす」



と踵を返した。


あたしは「いってらっしゃい」と手を振り、ふうっと息を吐き出した。




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