大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
………やばい。


なんだか、とってもやばい雰囲気だ。



にやにや笑いを浮かべて見下ろしてくる強面ヤンキーを見つめ返しながら、あたしの頭はフル回転する。



こいつら二人は、龍生に(じゃんけんの)勝負で勝ち逃げされたのを根に持っていて。


たぶん、あたしを何らかの手段にして龍生にもう一度勝負を挑もうとか、そんなことを考えているんだ。



いくらヤンキーとはいえ、たかがじゃんけんくらい、なにも危険なことはないと思うけど。


でも、龍生は言っていた。

こいつらは危ないやつらだって。



―――よし。

逃げよう。


あたしは瞬時に決心した。


逃げるが勝ち、だ。



あたしはすばやくきびすを返し、学校の方向にむかって駆け出した。




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