大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「協力してくれるかなー? マリナちゃーん」



つんつん頭が作り笑いで訊いてくる。


あたしは口を塞がれたまま冷や汗を流しながら、こくこくこくと頷いた。



そのとき、


―――ピロリロリロリン♪


場違いなほど明るい、能天気な電子音が響いた。


あたしのスマホの着信音だ。



しかも、電話がかかってきたときの音。


2コール、3コール、4コールと音は続く。



ロン毛とつんつん頭が顔を見合わせ、頷きあった。



「………マリナちゃーん、誰からの電話かなー?」


「ちょっとケータイ貸してみ?」



あたしは震える手でスカートのポケットからスマホをとりだした。



「龍生じゃん!」


「わーお、タイムリー!」


「マリナちゃーん、出ていいよー」



通話ボタンを押したスマホを無理やり耳に押しつけられる。




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